リナリアの 浮かぶ姿は 蜃気楼

Linaria’s flower language is “please notice my love”.  It is because the delicate and gentle flower appearance looks like a maiden who has started to feel love.The linnaria sways in a breeze and stands like a mirage in front of us now.

リナリアはキンギョソウと同じ仲間ですが、一見キンギョソウは逞しく、リナリアは繊細に見えます。しかし実際はリナリアの方が丈夫で逞しく、世界中に見受けられる花です。しなやかさがあり、寒暖にも強く、茎が折れても修復し、花を咲かせ続きます。リナリアは姫キンギョソウとも言われます。

その可憐さからリナリアの花言葉は「恋心に気付いて」で、乙女のような可愛いらしく繊細な花の姿が、少女の恋心を表しているように見えるところから来たといわれています。

誰が植えたのか道路沿いの植え込みに咲いていました。遠くから見ると道路の陽炎でリナリアが初々しい少女のように揺れています。まるで蜃気楼のように。

 

荒れ野にも ヒオウギスイセン 凛と咲き

There is a flower that will always look forward to this time. That’s Watsonia. The Japanese name is Hiougisuisen. Stand vertically toward the heavens and bloom flowers spirally one after another. This flower stands out in the deadly scenery.

いつもこの時期になると待ち焦がれる花があります。ワトソニア。和名はヒオウギスイセン(檜扇水仙)。和名を聞くとなるほどと納得します。

最初にこの花に出会った時、何という花なのか調べに調べたのですがわからず、植物園の学芸員に調べてもらって分かったという経緯があります。

こんなに綺麗な花なのにあまり見かけません。フリージャの近縁種らしいですが、フリージャがおとなしそうな花なのに比べ、野性的な趣のある花です。いつもは真っ白いのも咲くのですが、今年は咲いていませんでした。

休耕田のやや荒れた畑の片隅に咲いているのですが、この花が咲くとあたりの景色までがよく見えるのが不思議です。

 

麗しの 富士が際立つ 桜草

Primrose blossoms are now in full bloom on the shores of Lake Motosu, one of Fuji Five Lakes.  The splendid Mt. Fuji sits down with dignity on the other side which the primrose blossoms spread like a red carpet.  It is the scenery of early summer representing Japan.

もうお馴染みのこの風景。富士五胡の一つ本栖湖の湖畔にはこの時期サクラソウが一面に広がります。地元では4月から5月にかけて「富士芝桜まつり」が開催され、全国から多くの人が押し寄せます。

海外でも人気で、アメリカCNNでは日本の風景100選にも紹介されているほどです。

芝桜だけなら日本各地いたるところで広大な敷地に広がる芝桜が見られるようになりましたが、ここの主役はやはり富士山です。バックにどんと座る富士山があるからこそ芝桜も映えるわけです。春夏秋冬、富士山の周りには様々な花が咲き乱れますが、すべて富士山を際立たせる役割です。

「フジヤマ・ニッポン」-これからますます日本を訪れる外国人が増えるでしょうが、こうした風景、「オモテナシ」の心が世界に知られることは、一番の平和貢献です。

 

ベクアールティ 白無垢姿で 阿波踊り

These dancers are the flowers that bloom in Tanzania and Mozambique, called Impatiens Bekarty.  It looks to me as wearing a white bridal gown and cotton hat and dancing the traditional “Awa dance” of Tokushima in Japan.

Pinterestからこんな面白い花の写真が届きました。思わず笑い転げてしまいました。

スカートだから日本の白無垢衣装ではありませんが、頭に被っているのが白無垢の時着る綿帽子なので、やっぱりこれは日本の花嫁姿。白無垢に綿帽子。この姿で踊り出したんだ。着物の裾が開くほど愉快で愉快で。この踊りはどう見ても徳島の阿波踊り。まさに「踊る阿呆に見る阿呆」、滅茶苦茶と言えば滅茶苦茶だけど、これは面白い。ひとり悦にハマってます。

花の名はインパティエンス・ベクアールティ。アフリカのタンザニアやモザンビークに咲く花だそうです。

インパティエンスは日本ではツリフネソウと言われている仲間ですが、別名アフリカホウセンカとも言い、ヒマラヤが原産とも書かれていますから、いずれにしろ外国が原産ということなんでしょう。

で、このベクアールティはその中の一品種。ホウセンカとは似ても似つかぬ姿をしています。アフリカ産と聞かされなるほどと思います。なんとも擬人化もいいところです。

調べてみたらこんな面白い花が世界には沢山あるんですね。

緑雨明け 美味し林檎の 花開き

Apple flowers seem to be blooming in Aomori and Nagano’s apple production areas.  Recently, apple blossoms can be seen in other areas.  The apples are delicious, so I love them, and the flowers are so beautiful and my heart is healed.

「花より団子」ということわざががありますが、あれは花見に来た客が花を見るよりもその下で飲む酒や食べ物に気を取られていることを野次ったことわざですね。風流よりは実益、外観よりも実質という意味にも使います。

同じようなことわざに「色気より食い気」とか「名を捨てて実を取る」とかあるように、主観に訴えるものより、血肉になる実利を取るということでしょう。英語でも「Pudding before praise(賞賛よりプディング)」と言いますから、洋の東西を問わず同じ意識がはたらくようです。

花にも、花だけが美しいというものもあれば、花は大したことはないが実は実に美味しいという植物もたくさんあります。

しかし、この林檎の花のように、花も美しいし、実も美味しいという植物もたくさんあります。梅、杏子、桃、イチゴ、果林、アーモンド、挙げたら切りがありません。

アーモンドの花なんかは桜の花にそっくりで見分けが着かにほどです。桜が満開になる1、2週間前位に満開になる面白い習性があります。同じバラ科の植物なんですね。桜は桜ん坊の桜以外には小さな実しかできませんが、アーモンドはあの美味しい実ができます。

桃の花は桜とほぼ同時期に満開になりますが、桜は、やれ、どこそこの花見だとか、テレビにも連日取り上げられているさなか、近くの桃畑は満開で見事な花を咲かせていますが、誰も見に来ていません。花は桜に劣らず綺麗ですし、香りがいいし、すぐにあの美味しい桃の実ができます。桃は「花と団子」です。

そうそう、今の若い人たちの中には、「はなよりだんご」と言えば「花より男子」と思って人たちが多いそうですが、本当ですか。

 

矢車の 菊見て癒す 花粉症

Consecutive holidays, which should be fun, have become days that suffer from hay fever.  During that time, I was so healed by Yagurumagiku that I found in the country field and the symptoms eased.

連休中は東京からやってくる孫たちと楽しい日々を過ごす予定でしたが、その楽しさも半減。後半は花粉症が酷くなり、救急外来に行く始末。

その受診からの帰り道に偶然見つけたのがヤグルマギク。今までの苦しさは何処へやら。その清楚な美しさに我を忘れました。

このヤグルマギク(矢車菊)、一時はヤグルマソウ(矢車草)と一緒くたにされ、俳句でも、ヤグルマギクのことをほとんどの人がヤグルマソウと詠んでいます。

ヤグルマギクは見た通りの鮮やかさをしていますが、ヤグルマソウは実に質素な花で、俳句に詠み込まれるほど人目を惹きません。音もヤグルマソウの方が詠みやすいので、そういう使い分けをされたのかもしれません。

ヤグルマギクの英名はcornflowerですから、西洋では、日本のレンゲソウのように穀物畑の休耕地によく咲いたから付いた名なんでしょう。

しかしその青い美しさは、宝石サファイアの最高級の色がcornflower-blueと形容されているくらいですから並みの青さではないのです。

ドイツの国花でもあり、古くはエジプトのツタンカーメンの埋葬品でもあったほど、その気高さは一級品なんですね。

子は宝 令和に祝う こどもの日

Today is the first children day of the Reiwa era. This day is originally Tango-no-sekku, Boys day, and we celebrated a special holiday in Japan by displaying Gogatsu-ningyou. Gogatsu-ningyo is a Japanese armor, helmet and/or warrior doll that symbolizes a boy’s birth and a wish for the boy to grow strong.

今日は令和元年最初の子供の日。日本国中いたるところで鯉のぼりが青空を元気よく泳いでいます。

てっぺんには籠流し、風車、そして五色の吹き流しがあって、その下に真鯉(お父さん鯉)、緋鯉(お母さん鯉)、子鯉でワンセットの鯉のぼりですが、最近は川沿いとか川をまたいで何百匹もの鯉が泳いでいる風景によく出食合わせます。ああ春も終っていよいよ夏なんだと季節の変わり目を再認識する光景です。

この日は元は「端午の節句」で男子の健やかな成長を祈願し祝う日でした。また「菖蒲の節句」とも言われ、中国では田植えの重要な労働力であった女子を大切にし、この日に女子は菖蒲屋根の小屋で過ごすという習慣から生まれた日でもあります。

日本ではこの「菖蒲」が「尚武」に置き換えられ、「尚武の日」、つまり、やはり男子の日になったわけです。

日本では3月3日が「桃の節句」で女子の祝う日がありますが、今は「端午の節句」と「菖蒲の節句」が合わさって「こどもの日」になりました。

今やまさしく「子は宝」の時代です。一人でも多くの子が生まれ、元気に成長し、日本を支えてもらわねばなりません。

また世界に目を向けても、多くの子供たちが貧困と虐待で苦しんでいます。

日本の子供も、世界の子供も、どうかもっと元気で豊かな環境の中で生きていってほしいと願います。ちなみに、「世界こどもの日」は11月20日です。

吾亦紅(われもこう) グラスに挿して 偲ぶ歌

I cut Waremokou flowers in the field and put them in the glass. Because I remembered the song that Sugimoto Masato sang. During I was listening to the song, I regretted that it is the best to have them swaying in the wind.

吾亦紅の花が道路沿いの畑に咲いていました。

「さらさらゆれる吾亦紅」、2007年の紅白歌合戦で最高齢者の初出場者として杉本真人が歌ったのがこの『吾亦紅』です。とても印象に残りました。

それまで全く無名の歌手が北海道の演奏会で人気を得、瞬く間に広がったそうです。離婚間近のダメ息子が強く生きた母を偲ぶ歌です。

数本切って家に持ち帰り、グラスに挿しましたが、やはりだめです。さらさら揺れる吾亦紅ではありません。春風に揺れてこその吾亦紅です。

「やはり野に置け蓮華草」で、野草は野にあってこそ活き活きするのです。可愛そうなことをしてしまったと『吾亦紅』を聞きながら後悔した次第です。

 

田植え終え 待ってましたと 蛙鳴き

Shiga Prefecture is a major producer of Japanese rice.  This year’s rice planting has begun, but as soon as rice planting is over, frogs will begin to croaking.  I wonder where they have been waiting for this day?

滋賀県は日本有数の米どころです。

琵琶湖東岸は広い水田が広がっていますが、西岸は高島近辺をのぞき、山が湖岸に迫っている為、猫の額ほどの広さしかありません。

四月下旬には田植えが始まり、連休中にはほぼおわります。通常より一カ月ほど早い早場米ですね。

水田に水を張り、田植えが始まると、一斉にカエルが鳴き始めます。カエルは卵から孵ってオタマジャクシになり、それからカエルになると思っているんですが、土の底に潜っていたのか、何処かからやってくるのか、田植えが終わったとたんに鳴き始めるので、いつも不思議に思うのです。

優しさが 曲と広がる カンパニュラ

♭♭♭ カンパネラ ♭♭♭

The famous tunes of the list are flowing in the room where the campanula and the periwinkle blossoms were in ikebana.  Tenderness and warmth extend to the room.

カンパニュラはラテン語の釣鐘を意味する言葉から付けられた名前です。和名は風鈴草。英語名はBell-Flower。形状からくる名前は世界共通ですね。

よく似た花に釣鐘草がありますが、釣鐘草は花が下向きですが、風鈴草は上向きなところが違います。

リストの名曲『カンパネラ』も釣鐘という意味で、教会の釣鐘をイメージした曲ですね。形状と言い、言葉の響きと言い、心癒される花で曲です。

平成も終わり令和の時代が始まりましたが、改元の慌ただしさもやっと落ち着いてきたようです。大型連休も中日。都心の車はめっきり減っていますが、郊外に出るとどこも渋滞で、行楽地の駐車場はどこも満杯。待ち時間は何時間にも及ぶところさえあります。

こんな時は、こうして家の近くの花を見歩いたり、ゆっくり音楽を聴くのが一番です。上の『カンパネラ』でも聞いてください。