平成も 吉野桜で 春を閉じ

Yoshino in Nara Prefecture is famous for its cherry blossoms since ancient times.  Despite the depths of the mountain, the number of people having visited here, including Saigyo and Basho who are famous poets, is uncountable.  Spring in the Heisei era is over when the cherry blossoms here scatter off.

奥吉野の「奥千本」の桜が満開です。

奈良県南部の奥深く、南北8kmに広がる吉野山を標高の低いところから、「下千本」「中千本」「上千本」「奥千本」とエリアが分けられ、4月上旬から約1カ月に渡って桜が咲き続けます。

全山がユネスコの世界遺産に指定され、200種類、3万本もの桜が咲く吉野は、昔から「桜と言えば吉野」と言われるくらい、日本人には馴染み深い桜の名所です。

桜に狂った西行は、ここに『西行庵』を建てて3年間暮らしたといいますし、芭蕉はその西行を慕って何度か吉野を訪れています。

その「奥千本」の桜が咲きり、散り始めると、もう春はお終い。

今年は『平成』から『令和』への改元が間もなくに迫っています。

今年の春のお終いは、平成の春のお終いでもあるわけです。

 

平成の 幕を下ろすや 花吹雪

The cherry blossoms that were scattered in the spring storm cover the earth.  It seems to symbolize the Heisei era, which was hit by many disasters, though there was no war.

ここ2,3日で目に見えて葉桜が多くなりました。少しの春嵐にも花びらは散り、朝早く歩くと綺麗な花絨毯ができています。

咲き始めの桜、満開の桜、どれも美しく見ごたえ十分ですが、こうして散って大地を彩る桜もまた綺麗です。ほかの花々も次々と花開き美しく気も取られますが、また桜に戻ってきます。

やはり桜は春の主役です。咲いて良し、散って良し、できたらこういう生き方をしたいものです。

最近は毎日のようにカレンダーを見ますが、我が家のカレンダーは、「2019年 平成31年  元年」と「平成31年」の後は余白になっています。ここに「令和」を書き込むようになっているわけですが、5月1日に書き込もうとそのままにしています。また4月30日、5月1日、2日は元は白字で書いてあったのですが、先日これは赤字に直しました。

平成もあと10日。天皇陛下御夫妻が伊勢神宮にご参拝なさっているお姿がテレビに映っていますが、まさに国民統合の象徴。平成天皇として、国民とともに様々な災害に心を痛められ、励まし、また、お喜びになった日々もあられたでしょうが、今こうしてお姿を拝見するだけで心安らぎます。

どうか令和の時代もお健やかに長生きされ、私たちも後を追わせていただきたい、そんな気持ちになります。

若葉して 昨日の桜 どこへやら

The visitors having been watching the cherry blossoms that made such a fuss have also completely gone.  Now that place is completely covered with young leaves, and only a few people are taking a walk.

花冷えが続き、いまだに桜が満開というところがあっちこっちにあります。しかし野山の木々は待ちきれず、新緑を開き始めました。

さくら、さくらと押し寄せた人たちもすっかり遠ざかり、静かに散策する人がちらほらというところも増えました。

季節の移り変わりの早さにも驚きますが、人の心の移り変わりの激しさにも驚きます。自身がそうですから、それをとやかく言うつもりは毛頭ありませんが、これもまた日本の特徴であり、日本人の特徴でもあります。

「折節の移り変わりこそよけれ」と兼好さんも言っているように、桜から若葉に切り替わるこの時期もまたいいものです。二日は晴れて二日は曇りまたは雨という日が続いていますが、こうしてまた暑い暑い夏に向かっていくのですね。

今日は快晴で雲一つない行楽日和ですが、ちょっと桜疲れ。近くのカフェにでも出かけますか。

平成の コイン最後の 通り抜け

“Cherry blossom walkthrough” held in the Osaka · Kita Ward Mint is an annual event of spring that lasts 130 years or more since the Meiji Era, 134 kinds of cherry trees planted in a tree-lined road approximately 560 meters in length It is done. This event has crowded with lots of people as the last one in the Heisei Era.

大阪市北区の大川沿いに建つ大阪造幣局は「桜の通り抜け」で有名です。明治以来約130年間続く行事で、134種類の桜が560mにわたってトンネルをつくります。

大川沿いはフランスのセーヌ川沿いにも負けないくらい景観も良く、造幣局対岸には上流に向かっておよそ3km、旧淀川の合流点にある毛馬まで、これまた豪華な桜トンネルが続きます。毛馬は与謝蕪村の生誕地でもあります。

大阪の人たちはこの「桜の通り抜け」を待ちに待ち、これが終わると桜も終わり。ゴールデンウィークが過ぎるとリフレッシュ完了、鋭気を蓄えていよいよ本格的に「おおさか」が動き始める感じです。

ところで、今日のニュースでも出ていましたが、平成最後のコインを求める人でいっぱいだとか。「平成31年銘ジャパンコインセット」も早々と販売終了。通り抜けの人たちが造幣局に押し寄せているそうです。

昭和64年の時もそうでした。1月7日までが昭和で、1月8日から平成です。この7日間に発行された昭和コインは希少価値があり、今でも高値で売り買いされているそうです。

令和コインは今年の秋くらいに出るそうですが、2020年東京オリンピック記念コインと合わせて、今から話題になっているとか。

まあ、めでたいお話です。

散る桜 春高楼を 口遊み

The cherry blossoms have gradually begun to fall.  Looking at the scene, I naturally begin to sing the famous Japanese song “Kojo no Tsuki” , “The Moon over the Ruined Castle”.

ぼつぼつ桜が散り始めました。こんな時ふと口ずさむのは『荒城の月』です。

小学校の時、黒板の上に、ベートーベンやモーツアルトなど世界の有名な作曲家と並んで滝廉太郎の顔写真が張ってありました。その後、いつも、滝廉太郎がベートーベンやモーツアルトと並ぶような作曲家なんだろうかと不思議に思っていました。

後年、いろいろ調べてみると、滝廉太郎の『荒城の月』が日本で作曲された初めての西洋音楽の曲とされ、日本の歴史的に重要な曲である、だからなんだそうです。

23歳で夭逝した滝には、ピアノ独奏曲『メヌエット』がありますが、歌曲がほとんどで、この『荒城の月』以外には知られていません。もっと長生きしていたら、まさしくベートーベンやモーツアルトに並ぶ大作曲家になっていたかもしれませんが、これだけは分かりません。

で、この『荒城の月』は、原曲は下の鮫島有美子さんが歌う歌で、今普通に歌われているのが、小山明子さんが歌う上の歌です。

「はなのえん」の「え」のところが、原曲は半音高く、ジプシー音階なので、山田耕作が西洋風に編曲したのが小山さんが歌う歌です。どちらがいいのか、人の好みによって違うでしょうが、山田耕作が編曲した方が広く知られるようになり、今世界でも有名歌手がよく歌っています。

ジプシー音階は、モンゴルが世界大帝国を築いた際にヨーロッパにも影響を与えた東洋音階で、日本人好みです。

フランツ・ドップラーのフルート曲『ハンガリー田園幻想曲』は、特に日本人が大好きですが、これもジプシー音階で、東洋の血が流れているからでしょう。

『荒城の月』、聞き比べてみて下さい。

五色なす 花野に遊ぶ 浮き世かな

Cherry blossoms is blooming, tulips is blooming and various flowers is blooming around.  Another world far from the real world is spreading in front of us.

桜に葉が目立ち始めました。それでも相変わらずの満開です。

一昨日は統一地方選に出る友人を陣中見舞いしました。議員報酬を50%削減するという公約に共感したわけです。

以前から、日本の国会から地方議会に至るまで、あまりにも世界常識とかけ離れていること(日本の地方議会・議員は世界の非常識)を訴えてきているわけですが、有権者がそれに気付かなければどうにもなりません。

立候補するにあたり、30万円の供託金を拠出することは聞いていましたが、選挙カーの看板、選挙ポスターの費用や、選挙応援のウグイス嬢の手当なども一部支給されるなどは初めて知りました。民主主義を実現するため、貧富にかかわらず立候補できるようにするには必要な経費と納得できますが、一人の候補者に掛かる費用は大変な金額です。これだけの費用をかけて、どれだけの民主主義が実現され、国民や住民に還元されているかとなると大いに疑問です。

投票率も大体どこも30%前後、特に地方議会の投票は「めくら投票」です。議員活動の詳細を聞くと、随分無駄なお金も動いているようです。

というわけで、昨日は友人の選挙ポスターを張りに出かけました。

カフェから シャンソン流れて ラベンダー

Chanson’s music flows from the street cafe. In front of the white gate of the cafe, French Lavender blooms cute flowers, and it is swaying slowly in the spring breeze from time to time.

街中を歩いているとシャンソンの曲が流れてきました。流れてきたのは真っ白なたたずまいの喫茶店からでした。前に珍しい花が咲いています。

ラベンダーに似ているので調べたらフレンチラベンダーでした。普通のラベンダーよ花が大きく、てっぺんにはウサギの耳のような花弁を付けています。香りは普通のよりしませんがやはりラベンダーです。

折からの春風に吹かれそよそよと揺れていてなかなか風情があります。お店に入りたかったですが、用事のため入ることができませんでしたので後日ということにしました。

街中にもちょっとした憩いがあり、それだけで一日がくつろげる思いです。。

主人(あるじ)無き 庭に山吹 七重八重

Yamabuki is blooming a deep yellow flower again this year in the garden of an abandoned house.

まさに百花繚乱。野山にも、街中にも、家の庭にも、いたるところに花が咲き乱れています。わざわざ人が押しかけてみる花もあれば、人知れず咲く花もあります。散っていく花、満開の花、まだ蕾の花、花を見るだけでも様々な世界、様々な生き方、この世の生き鏡のごとくです。

最近は、ちょっと山里に入っても、もう誰も住んでいない家が沢山あります。今も人が住んでいてもおかしくない立派な家もあれば、屋根の梁も傾き今にも崩れ落ちそうな家もあります。限界集落と言って、人は住んでいるけれどもほとんどの住人が7,80といったお年寄りという集落もあります。

そんな家々の庭先にも、やはり花が咲いています。主が居ないことを知ってか知らずか、多少の乱れはあっても凛と咲いた花には気高さがあります。

栄枯盛衰、人は花を見ることによってわが身の儚さと、生きることの意義、大切さを学びます。

散る桜 古きお堂に 華を添へ

Cherry blossoms are beginning to fall.  The petals of the cherry blossoms spread in the pond of the temple, and a small hall erected there stands out.

和歌山県岩出市にある名刹根来寺の聖天堂です。

滋賀県堅田市にある浮御堂は有名ですが、これも浮御堂。どちらが先に建ったのか知りませんが、池にたたずむ瀟洒なお堂は簡素の美しさがあります。

そのお堂も池の奥まった所に建っているので、普段はそれほど目立ちません。写真から桜を取ったお堂を想像してください。

注意してみれば風情のあるお堂ですが、こうして満開の桜が添い、散った花びらに浮かぶお堂はまたいっそう格別な味わいがあります。

桜はそれ自体も美しいですが、桜があることによって辺りの風景ががらっと変わります。普段何でもない景色が華やぎます。桜は主役であり、同時に名脇役。

やはり桜は富士山と並ぶ日本の名主役です。

浮世捨て 日がな一日 花野かな

Cherry blossoms are in full bloom. Various flowers bloom in the fields and mountains. Apart from the hassle of everyday life, I wader around the flower garden all day long.

相変わらず花冷えが続いています。あちらこちらから雪便りさえ届きます。

そのせいもあってか、桜の花も花開いたまま散りません。天国の西行さんもきっとお喜びのことでしょう。

異常気象と言えば異常気象。しかし年によったらこんな年もあるのでしょう。毎年毎年同じではおもしろくありません。

平成の時代もあとわずかです。連日天皇陛下御夫妻の歩んでこられた歴史が放映されています。平成はこんな時代だったんだなあと懐かしく思い出されます。

令和はめでたい幕開けになりそうです。生前譲位は見事なご決断だとおもいます。東京オリンピックあり、大阪万博あり、どうかつつがなく成功裡に開催され、これを励みに令和が良き時代になることを願ってやみません。