岩苔に 咲いたベゴニア 美しき

Begonia is blooming on the stone wall covered with moss. It is usually planted in a row and can not be bothered too much. But when looking at Begonia this way, it looks beautiful beyond recognition.

ベゴニアが苔で覆われた石垣に一株咲いています。

ベゴニアは、家庭でも公園でもまとめて植えられている場合が多いので、ともすればその美しさが見逃されがちですが、こうして見ると実に美しく愛らしい花です。周りの苔や下草によくとけ合って一服の絵になります。

安くて丈夫で長持ちしますので、どこにでも見られ、ほんの慰めにはなっているのですが、バラやユリなどのようにもてはやされません。親しみがあるが故に、なお美しく見えます。

つい、人のことも考えますが、人も同じですね。普段見慣れていて何のこともないですが、環境が変わったり、ふとしたことで、見直すってこともよくあることですね。

磨崖から 梅雨が滴る 宝山寺

Hozan-ji Temple is located in Ikoma City, Nara Prefecture.  As a prosperous business god, the temple have collected many faiths since the Edo period. Its history is even older, and has been known as a monk’s hard study ground since 1300 years, and it is said that the famous monk Kukai has also studied hard at this stage.

宝山寺は奈良県生駒市の生駒山中腹にあります。江戸時代頃から商売繁盛の神社として、主に大阪商人から絶大な信仰があります。山道に並ぶ寄付した顕彰石柱には100万円位は並み、1千万、2千万、1億円なんてものも立っています。商売で儲けたら一部を神さんにお返しする。そうすればさらに儲かるという信仰があるからです。神社もそれを様々な社会施設を作って社会に還元する。そういうしきたりが昔からあったそうです。

ここは元々、1300年前くらいから修験道の場所で、空海もいっときここで研鑽に励んだという言い伝えがあります。

梅雨の中、平日にもかかわらず、熱心な信者たちが次々に訪れていました。もちろん観光客もそれに混じり、外人客も見受けます。

日本各地にこういったお寺や神社が沢山あり、今のこういう時代にも信仰の絶えないことは驚きでもあり、未来永劫にも絶えないのだと思います。

出食わせば ほっと安堵の 岩桔梗

My mind when climbing is complicated.  When I traverse, I tremble for fear and I am impressed by the panorama below.  Above all, the feeling of relief is the best when I find an Iwagikyo blooming between rocks.

最近はシーズンになるとどの山小屋も満杯状態。あふれ返った山小屋では臨時に青いシートで囲った寝場所を作って収容するところもあります。3000m近い山では真夏でも気温10°以下になることもしばしば。大丈夫なのかなと心配になります。

山で遭難する人も増えて、特に中高年者に多いそうです。リュックを岩側にして岩場を降りる人をよく見かけますが、これは最も危険。岩にリュックが当たった反動で滑落し亡くなった事件に出会ったこともあります。

山頂に立った時の征服感と眼下に繰り広げられる大パノラマ、岩場をトレースする時の恐怖感、様々な心の動きが手に取るように分かります。

そんな時、岩場の間に写真のような花々を見つけた時は、本当にほっとします。そんな感動がまた山に誘います。

織姫も じっと見つめる 蛍かな

July 7 is the day of Tanabata.  Orihime and Hikoboshi will date across the Milky Way on a sunny day. At night on the ground, fireflies are flying and staying on the grass and blinking.

7月7日の夜は快晴といかないまでも星空は見渡せることはできました。銀河ははっきり見えませんが彦星(アルタイル)と織姫星(ベガ)は何とか見えました。

仲違いした彦星と織姫星が天の神様の計らいでこの日だけは会うことを許される日です。と言っても二つの星の距離は15光年ですから、我々地球人の感覚ではとてつもない距離ですが、宇宙尺度では天の川をひょいと渡れる距離です。我々が寝静まったころにそっとデートするのでしょう。

近くの川ではホタルが飛び交っています。これもホタルのラブコール。

天上も地上もほほえましい光景が繰り広げられるめでたい日になりました。

カラカラと 夏風誘う カザグルマ

The steamy and hot winds under the rainy season are shaking Kazaguruma. Kazaguruma, please let me blow the hot and dry summer wind early.

関西は相変わらず空梅雨が続いています。降りそうで降らない、なんともじれったいお天気です。

垣根に咲いたカザグルマもよどんだ風でカラカラ音を出しません。

カザグルマとテッセンも見分けが難しい花です。まとめてクレマチスと言っておけば間違いありません。カザグルマは「風車」、テッセンは「鉄扇」、漢字で書けば特徴が分かります。

風車は日本固有のクレマチス。一方、鉄扇は中国産のクレマチス。よく花弁が6枚が風車、8枚が鉄扇という見分け方を言いますが、花弁の数はまちまちで、4枚のもあれば7枚のもあります。見分けるのはやはり葉の形です。蓬状の葉を持つのが鉄扇です。

風車は花の形に注目した命名で、鉄扇は蔓に注目した命名で、日本人の情緒性と中国人の実利性をよく表しています。

風車を歌った歌も沢山あって、アメリカのっ有名歌手の誰もが歌った『The Windmils of Your Mind』や、松山千春その他日本人歌手もそれぞれの『風車』を歌っています。

梅雨の中 白鬚詣でて 雨を請ひ

On the west shore of Lake Biwa, there is the oldest Shirakami Shrine in Japan. It is known for its red torii standing on the lake surface. In the precinct, monuments of famous poets such as Murasaki Shikibu and Bashou are lined. Many tourists have come in spite of the rainy season.

滋賀県の琵琶湖の西岸、大津市の北端を越えてすぐの高島市に日本最古の白髭神社があります。神社縁起にもいろい書いてありますが、本当のところは由来ははっきりしません。

白髭という音をたどれば古代朝鮮の「新羅」に結び付くように思います。琵琶湖北岸の地峡をたどれば福井県に容易に辿り着けますから、日本海を渡ってきた新羅系の渡来人がそのルートからやってきて住み着いたのが、この白髭神社あたりではないかと推測できます。あまり知られていませんが、白髭神社の後背地の山の中にはかなり古い古墳が散在しています。

また湖面に浮かぶ朱の鳥居も初めから水中に建てられたのではなく、大地震かそれに伴う地殻変動で今では水の中、元は参道入り口であったというのが私の主張です。平清盛はこれを真似て厳島神社の水鳥居を作りました。

九州の集中豪雨とは裏腹に、今は梅雨の最中ですが、琵琶湖周辺は晴れはしませんが雨もほとんど降りません。白髪神社は水の神でもありますので、どうか恵みの雨をとお祈りしておきました。

 

そばかすが なんとも愛らし クルマユリ

Car Lily is characterized in that the spots are less noticeable than Oni Lily. Both flowers are adorable as well as girls with freckles on their faces are cute.

オニユリに似ていますが、これはクルマユリです。名の由来は葉を車に見立てたことかららしいです。

オニユリは斑点がもっと大きくはっきりしています。似た百合にコオニユリという百合もありますが、この三つのユリはよく似ていて見分けが難しいです。オニユリには「むかご」といって葉の付け根に丸い実のようなものが付いているのが特徴でこれで見分けます。

いずれにしろ、クルマユリもコオニユリも元はオニユリから派生したに違いありません。

オニユリはヤマユリやササユリと同じ日本の固有種で、世界には100種余りの百合がありますが、日本の百合は中でも特に美しいそうで、シーボルトをはじめ日本にやってきた多くの外国人が祖国に持ち帰り、品種改良を加えたものが逆輸入され今に伝えられている百合が多いそうです。

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」と言われるようにきりりとした立ち姿は東洋の花の代表で、西洋の薔薇と人気を二分すると言われています。

梅雨に泣く 枝垂れ柳と 商家町

The old merchant town in Kurashiki is a rainy season and people are sparse. The weeping willow standing along the hydrophobicity is lush but somehow not energetic. Perhaps they must be sympathetic to the merchant.

今日は関西では晴れ間も見えるほどのお天気です。九州地方では大変危険な状態だそうでお気の毒です。梅雨も始まったばかり、まだ1カ月ほど続くことを思えば、どんな災害が待ち受けていることやら。

写真は岡山県倉敷の旧商家町ですが、色付いた枝垂れ柳も梅雨の雨は有り難いが、向かいの人通りを見て心配そうにも見えます。

山開き、海開きも終え、観光地も訪れる人に期待を膨らませているでしょうが、こう災害が続くと足も遠のいてしまいます。

どうかお天道様、これ以上のお灸はご勘弁をとお願いするしかありません。

 

あら可愛い 名は知っていたよ 枸杞(くこ)の花

I knew the name of Kuko, wolfberry, but it is the first time to see the flowers.  It is a plant that has been used for a long time, such as Kuko fruit, Kuko liquor, Kuko tea and so on.  It is a representative herb that has been described in the oldest Chinese herbal medicine book.

小さい時から枸杞(くこ)の名前はよく聞かされていました。

石切神社の前に「阪本漢方」という漢方薬局があって、幟にこの「枸杞」という字が書いてあって、難しい字だなと思ったことを思い出しました。大叔母がここで枸杞の実をたくさん買って帰り、お酒に漬け、よく飲んでいました。

調べてみたら、中国最古の薬草辞典にものっているほどの代表的な薬草で、日本にも早くから持ち込まれ、今でもよく利用されているようです。

ちなみに、「クコの実」と検索してみたら、出てくるは、出てくるは、表題は「脂肪の蓄積を防ぐスーパーフード『クコの実』」に始まって、ベタイン、β‐シトステロール、ビタミンB1、B2、リノレン酸にポリフェノール、カルシューム、鉄、りん、などなど、今流行りのサプリメントにでてくるあらゆる栄養成分のオンパレード。何でもかんでも分析の時代だし、それが体にどう効くのかはお構いなしの和洋折衷の用語にはもう辟易するくらいです。滋養強壮にいいですよ、くらいで十分です。

枸杞の「枸」はとげのある植物、「杞」は柳のようにしなやか、ということからついた名で、まさにその通りのしなやかで楚々とした花です。

」という

貴方だけ そっと教える 石斛(せっこく) 蘭

Sekkoku is a wild orchid. Although it has almost disappeared at one time because of overfishing plant, the protection activities have become active recently and are gradually increasing. Beautiful wild flowers should only be seen.

石斛(セッコク)は野性蘭の一種です。岩や大木に着生する着生植物で、日本の中部以南ではよく見かけましたが、あまりの美しさに乱獲がたたり、一時絶滅に瀕しました。

最近は保護活動が盛んになり、徐々に増えつつありますが、まだまだ昔みたいではありません。写真のような花が知れたら瞬く間に無くなる恐れがあります。だから秘密です。

セッコクはセキコクとも呼ばれ、正式には学名を取ってデンドロビュームと呼ばれていますが、英名でも和名のままのSekkokuとかJapanese dendrobiumと呼ばれるほど、日本のセッコクは美しい花です。原産は中国で古くから滋養強壮の薬草として使われていたようです。

美しい花はつい摘みたくなりますが、特に野生種は摘んで帰ってもすぐに萎れてしまいます。野生のままで見るのがいちばんです。