令和元年 花アルバムの 夏日記

The summer of the 1st year of Reiwa era is about to close soon.  Every time I see a photo I took this summer, my memories come back.  Above all, the flowers photos are just fun and heart-warming memories.

今年の夏もまもなく閉じようとしています。毎年のように繰り返される夏ですが、今年は今年の夏があります。撮り貯めた写真もたくさんあります。それを見るたびに思い出が沸々と蘇ってきます。

昔と違って今はスマホという便利なデバイスのおかげで、何時でも何処でも簡単に写真が撮れます。この俳句を始めた動機もスマホを持ったからです。心に留まった景色や花を見て一句浮かぶと直ぐにスマホに書き込み、同時にその写真も撮れます。昔なら、句が浮かんでもメモする手段が手近に無く、いつの間にか忘れてしまいます。写真も同じ、いつもカメラを持ち歩いているわけではありませんでした。

メモが取れ、写真が撮れ、音楽が聴け、電話ができ、メールを送れ、インターネット接続ができ、もうありとあらゆる日常の小道具、大道語が手のひらに乗るスマホに閉じ込められています。

道を歩いていても、電車の乗っても、家の中でも、スマホ、スマホ、スマホです。えらい時代になったものです。

今年の夏を簡単に再現できるのもスマホです。

青竹を ボブスレー宜しく 冷や素麺

Cold noodles flow throug the water along the gutter made of a green bamboo.This is called “Nagashi-somen”. It is one of the Japanese summer traditions in order to surpass the hot summer.

流しそうめんも夏の風物詩のひとつです。ホテルやレストランでも流しそうめんをしているところがありますが、やはり自然の中でがいちばんです。

東北地方のどこだったか、それこそボブスレーのようにくねくね曲がりくねった竹の樋をそうめんが何十メートルも流れ、両側にガラス茶碗に麺つゆと青ネギを入れて待機する人が大勢並び、一生懸命箸ですくいます。流れが速いものだからすくうのも一苦労。面白い体験をしたことがあります。

写真は和泉市の山手にある「農の里」での風景ですが、大阪湾を一望しながら、流れてくるそうめんを食べるのも乙なものです。

思い出せば、子供の頃からの夏の思い出は尽きません。その時その時の一年が反映されるのも夏です。苦しい時は慰められ、楽しい時は心ときめかせ、夏の様々な体験がどれほど人生を豊かにしたでしょう。

子や孫たちにも、もっともっと豊かな夏を体験してほしいものです。。

 

白雲に 残暑もなんの カンナ燃ゆ

In the sky, white thunderheads are massively rising.  With that in the background, the canna that blooms in red stands in a stunning form. The summer of this year, which has a lot of memories, is about to end.

まだまだ勢いのある入道雲がもくもくと立ち上っています。

お盆も過ぎ、少し静かになった海べりの海岸近くにカンナが真っ赤な花を咲かせています。

カンナは夏の初めから咲いていますが、夏の終わりに咲くカンナが人目を惹きます。まわりの草花も夏疲れし、勢いを無くす中、カンナだけはいっそう元気に咲くからでしょう。

そんなカンナを見ていると今年の夏の思い出が沸々と蘇ってきます。

夜ともなれば、地蔵盆のお囃子が聞こえてきます。街のの至るころに秋の大祭の提灯が並んでいます。もうすぐ秋です。

打ち水に おぼろに揺れる 鳳仙花

The heat wave continues as usual. The water sought in the garden for coolness is shaking like a hot flame. The sensen flower blooming over there can be seen swaying in the heat.

相変わらず猛暑が続いています。熱気を払うために撒いた打ち水から陽炎が立っています。庭に植えてある真っ赤な鳳仙花がその陽炎に揺らいでいます。軒先の影がくっきりと真っ黒な影を落としています。

残暑の熱気を除けば秋の気配が確実に漂い始めています。帰省ラッシュも一段落したようで、明日からまた日常生活が始まります。今のところ大きな災害もなく、長いようで短かった今年の夏も幕を下ろし始めています。

とはいっても残暑もいつまで残るか、9月に入らなければわかりません。9月いっぱいどころか10月まで尾を引く年もありました。災害もまだまだ台風も来るでしょうし、浅間山のようにいつ何時火山が爆発すかもしれません。

何もかもただただお天道様にお願いするばかりです。

風鈴の 音の絶え間に 虫の声

After the Bon Festival, the heat wave continues. Just time like that, a hurin hung on a teahouse bamboo blind is playing the cool chimes. And then the sound of the insects in the autumn can be heard in the gap between the hurin sounds.

台風一過、昨日今日と空は晴れ渡りまた真夏の復活です。全国のあっちこっちからは気温が40度を超えたというニュースが飛び込んできます。

そんな中、山の茶店で涼を取っていると、頭の上に張ってある葦の簾に掛かった風鈴が涼やかになるかと思えば、ふっと風が止み、風鈴の短冊の動きが止まります。神さんが走ったんだと思った瞬間、遠くから虫の声が聞こえます。こんなに暑いのに、もう秋の訪れです。

そういえば、昨晩も床に入るとコオロギが鳴いていました。時の過ぎ行くままに身を任せるしかありませんが、あれよあれよと移り行く季節の変化に一抹のやるせなさを感じる昨今です。

台風も それて黄金の 稲穂かな

As the typhoon that was afraid passed far away, we are relieved. The growed rice is shining golden in the midsummer sun. We am excited just to prepare for rice harvesting.

大阪泉州名物水茄子の収穫が今真っ盛りです。そこに台風10号。昨年の台風21号と同じ進路を辿っています。

21号台風では、近くの水茄子農家もビニルハウスが倒れ、収穫前の水茄子が全滅、甚大な被害にあいました。

今回は昨年と違って、最悪の場合は敢えてビニルをところどころ裂いて風通しを良くし、ハウスの倒壊だけは防ぐ作戦だそうでした。全滅するよりはと僅かの希望を託したわけです。

そうして今回の台風に備えたわけですが、有り難いことにほとんど台風の影響を受けることもなく、胸をなでおろしたという次第。

これが農業の厳しさです。イネやそのほかの農作物も丹精込めて実りを迎えても、一瞬にして苦労は水の泡。昔からの繰り返しです。

近くでこの様子を見て、私たちが普段何気なしに食べている食物の有り難さをしみじみ感じたわけです。

鉄砲百合 ピースピースと 叫んでる

Today is the anniversary of end of war. When I’m taking a walk in the morning, the flowers of Teppou-yuri, Easter lily, is blooming in the planting by the roadside.  It seems that I can hear the voice screaming “Peace, Peace” from flowers shaped like a loudspeaker.

いつまで終戦記念日だという声もあります。しかしこの日は大切です。

「のど元過ぎれば熱さを忘れる」という諺がある通り、人はどんな苦しいこと悲しいことでも忘れてしまうものです。1914年に起こった第一次世界大戦の後も、過去のどんな戦争よりも多くの犠牲者を出し、次に戦争が起こったら人類は滅んでしまう、二度と戦争を起こしてはならないと多くの人が心に誓ったはずなのに、その言った舌の乾かないうちの25年後には第二次世界大戦を起こし、第一次世界大戦を遥かに凌ぐ犠牲者を出しました。

今でもそうです。第二次世界大戦が終わってから今日、中小の戦争が絶えたことがありません。大国間でも、冷戦が終わって後、新しい国際秩序のもと、いつ何時世界大戦が起こるかわからないような緊張が続いています。

日本の現状を見ても、憲法第9条解釈なんかも、ひねくり返して国情に合わせようとしていますし、確実に軍備を拡大しています。沖縄の基地問題も世界戦略の観点から語られると説得力を持つのが現状です。

そうした日本を含めた世界の趨勢を少しでも食い止めるために終戦記念日の意味があります。来年で戦後4分の3世紀。『世界平和記念日』と名を改めて不戦を誓ってもいいように思います。 

終戦に 思いは巡る ブーゲンビリア

Bougainvillea flowers are now blooming throughout Japan.  Every time we see this flower, we can’t help but remember the heroes scattered in the South Pacific. Please pray not to repeat this tragedy again.

超大型台風10号が接近しているというのに、外はカンカン照り。普段に比べて少し波が立っているのかなと思える海浜公園を歩いているとブーゲンビリアが目に留まりました。ハイビスカスやブーゲンビリアも身近に見られるようになりましたが、やはり熱帯の花という印象が強いです。

この花を見ると沖縄やハワイを思い起こすと同時に、明日は終戦記念日、つい戦争のことを思い出し、南太平洋に散った英霊のことを考えます。

ソロモン、ミッドウェー、ガダルカナル、南太平洋に浮かぶこうした島々で行われた海戦にどれほどの意味があったのか。最後には補給路も経たれ、ジャングルの奥深くで多くの兵隊が餓死しました。無謀としか言いようのない戦争であったわけです。

山本五十六が戦死したのはやはりこの南太平洋の小さな島、ブーゲンビル島。その島の名の由来を尋ねると、フランス人探検家ブーガンヴィルから命名されたとか。

そして今日の花、ブーゲンビリアも、このブーゲンヴィルがブラジルで見つけて命名したそうですから、ブーゲンビル島にブーゲンビリアが咲いているのかどうか、咲いていてほしいと思うし、この花を見るたびに毎年こんなことを思い出すわけです。

 

風鈴が 鳴る度訪ねる 仏達

In Japan, from today,August 13th, to 15th, there is the traditional event where we welcom the spirits of the ancestors and exchanged, saying Obon. We entertain them and ask for our future safety and prosperity.

今日8月13日はお盆始め。玄関で火打石を打ってご先祖様をお迎えします。仏壇の左右に提灯を立て、ご仏前には蓮の葉っぱに鬼灯(ほおずき)、苧殻(おがら、麻の茎を乾燥させたもの。迎え火、送り火に焚く)、落雁(関西では、「はくせんこ」といって、コメの子で作った干菓子)、その他スイカ、ブドウ、ナスビ、水菓子と季節のものをお供えします。

お盆のお飾りは仏教宗派によっても、また地方によっても様々で、民俗学的にもおもしろい伝統が残っています。しかし今は、特に都会生活者にはほとんど無縁な行事になっています。仏壇を置こうにもそのスペースはなく、車のスペースの方が大切で、普段の生活の中で宗教との関わりはせいぜいお墓参りや、お寺巡り、里帰りくらいにしかありません。

お仏前には毎日食膳をお供えし、お坊さんを迎えてお祈りし、15日になると、苧殻を焚いて仏さまをお送りします。仏前にお供えした品々を船形に積み、近くの川に行って流します。これとて今は、川を汚染するから禁止され、せいぜい灯篭流し程度が残っているくらいです。

子供たちにとっては、お供物のお裾分けが楽しみで、その日だけを待ち焦がれます。

関西では、15日には奈良の高円山の大文字送り火、16日には京都五山の送り火が有名で、これで今年のお盆は終わります。ただ、お盆の余韻として各地で盆踊りが開催され、夏の最期を彩ります。

風鈴が涼やかになり、線香の香りが漂い、線香花火が最後の花火を散らし、団扇を片手に男女が打ちとけあい、日本の夏はこうして更けていきます。

https://youtu.be/ghr0aKtDhM4

朝顔が やはり落ち着く 里の朝

Colorful flowers are blooming in the summer field.  Every flower is beautiful and fascinating.  However, the morning glory that bloomed in the garden is not only beautiful but also very relieved.

お盆を迎えいよいよ夏もピークを迎えようとしています。野に山にそして海や川は人が溢れています。街の車は少ないですが、一歩高速道に入るといたるところで渋滞。土曜日辺りから今日にかけてはお盆の里帰りで車もピークです。

ちょっと心配なのもまだ日本のはるか南にある台風10号の動きです。停滞していたためにやや勢力は衰えていますが、今日あたりから動き始め、日本に近づくほど海水温が高いのでエネルギを補給し、また勢力を盛り返します。暴風圏が大きい大型台風なので、お盆帰り辺りに長い時間をかけて日本列島を舐め尽くしそうです。今日も気温は高いですが、北の高気圧のせいで湿度が低く、それほど暑さも感じません。

朝咲いた朝顔がいっそうすがすがしさを感じさせます。夏も花がいっぱいで飽きませんが、朝顔を見るとなんだかホッとします。ロート状のあっさりした花に単純な赤や紺の彩りが安心感を与えるのでしょう。竹の柵に巻き付いているからなおさらです。日本ならではの一服の絵です。

アブラゼミやクマゼミに混じって遠くから時折ヒグラシの鳴き声も聞こえてきます。過ぎ行く夏。なんとなく寂しさもよぎります。