夏陽射し 疎水も涼し 杜若

The sun is particularly strong on sunny days before the rainy season. On such a day, Kakitsubata are opening the flowers in the water channel. I feel cool just looking at this scene.

梅雨前の晴れ間の日差しは特に強く感じます。先だっての連日30度を超すようなことはなくなりましたが、日差しは完全に夏です。街中を流れる疎水にカキツバタが一群れ涼し気に咲いていました。汗をかきながら通り過ぎて行く人もひと時の清涼を感じているに違いありません。

カキツバタと言えば思い出すのは伊勢物語ですが、業平が見たカキツバタはもっと紫が濃く、花の先が尖っていたものです。

「何れ菖蒲か杜若」と言われるように、ショウブ、ハナショウブ、アヤメ、カキツバタ、どれもよく似ていて、よほど関心を持っていない限り見分けが着きません。カキツバタはそんな中でも比較的見分けが着きやすいのは、こうして水辺に咲くからです。

カキツバタも今では何種類もあって、写真のカキツバタは「ヒオウギアヤメ」という名のカキツバタです。最後に「アヤメ」が付くから、また混乱します。アヤメは大概乾燥した土地に咲きますから、カキツバタではありません。

さほど暑くもなく、凌ぎやすい天気が続いていますが、来週あたりから各地で梅雨入りということになるでしょう。鬱陶しいと感じる向きもあるでしょうが、これこそ日本を特徴づけるもので、自然にも心情にも「湿潤で潤い」をもたらします。