ブラックパール 赤い真珠の 実を結び

The official name of Black Pearl is Black Pearl Pepper.  The young leaves are green but gradually become black and eventually become jet black.  Its fruite turns from dark purple to deep red.  It looks like a red pearl.  This plant is jewel-like plant with black pearls and red pearls.

正式名はブラックパール唐辛子。唐辛子の仲間です。実を舐めると正真正銘の唐辛子。

黒い葉の植物は珍しいですが、紫身を帯びた真っ黒い色は実に魅力的です。若葉は緑色ですが、徐々に黒ずんできて、最後には真っ黒い葉になります。

葉が黒くなるころには実を結び始め、最初は緑色をしていますが、最後には真っ黒、そして真っ赤になる実と、実に変化にとんだ植物です。

宝石の黒真珠は実際にあり、高いお値段が付きますが、赤真珠はどうでしょう。伊勢志摩の『御木本真珠店』にはありました。ただし、天然ではなくて、本真珠に着色しているそうです。でも、とても人気があり、女性の還暦祝いやネックレスに使われ、これもお値段は高いようです。

ブラックパール唐辛子は一株で、黒真珠も赤真珠も緑真珠も付けているからまるで真珠本舗のような植物ですね。

ひと夏の 野山を覆った 葛の花

Kuzu flowers are in bloom.  People don’t pay much attention, but they are very beautiful flowers. Kuzu has a strong fertility and is among the world’s 100 most invasive alien species.  It is a plant that is disliked by filling up vacant areas and wilderness throughout Japan, covering with trees and withering.  However, the relationship with human beings is old and has been used for food, clothing, daily necessities and medicine.

今や嫌われ物の葛がきれいな花を咲かせました。葉の下に隠れて咲きますから、いっそう人目に付きません。

繁殖力が強く、空き地という空き地、どんな荒野にも根を伸ばし見る見るうちに辺りを覆い尽くします。1日に10㎝は成長します。少々高い木でも、いったん葛が巻き付くと数日のうちに覆い尽くされ、場合によってはその木は枯れてしまいます。そんなことで、「世界の侵略的外来種ワースト100」にもリストアップされているほどです。

そんな葛も、人との関わりは深く、古くは縄文時代から、食料、衣料、生活用品、飼料、薬などなど多くのことに利用されてきました。

葛切りはすき焼きに使ったり、冷やして蜜をかければ冷菓にもなりますし、片栗粉とは言いますがほとんどがジャガイモの澱粉で、本物の片栗や葛の片栗粉は美味しくて値段も高い。ジャガイモの澱粉は体を冷やすといわれていますが、葛の澱粉は、葛根湯という漢方の薬にも使われているくらい体にも良く、体を温める作用があります。

蔓を利用して網籠を作ったり、繊維からは糸が作られます。家畜の飼料としても今でも使っている地方があります。

そんな葛も今では単なる雑草。嫌われ物の雑草です。いちど蔓をたどって根を掘り起こしてください。大きな芋が掘り出され、擂粉木でおろして水に晒しておくと澱粉ができます。滋養・栄養たっぷりの葛根澱粉が得られます。

端麗な 原始ガーベラ 庭に咲き

Gerbera has been promoted for breeding, and now there are more than 2000 types. South Africa is the origin. I think the gerbera in the photo is the original breed and graceful and the most beautiful.

散歩道のあるお家の庭に真っ赤なガーベラが咲いていました。この花がガーベラだと分かったのは散歩から帰って調べてからです。ガーベラではないかと予測はしたのですが、確信が持てませんでした。

ガーベラは早くから品種改良が加えられ、今では2000品種を超えるそうです。公園などで見かけるガーベラは色もとりどりで花弁もぎっしり詰まっているものが多く、菊に似ています。

写真のガーベラは、原種ガーベラとか、ガーベラ・ヤメソニーとか呼ばれている品種で、その名の通り、このガーベラが原種だそうです。南アフリカ原産です。素朴で端正な美しさは改良品種よりよっぽどいいように思います。

相変わらず千葉県のことが気になります。日を追うごとに被害の状況が悪くなって、昨日の大雨でいっそう状況が悪くなっているとか。昨年の台風21号の教訓が生かされていないのが残念です。テレビでも言っていましたが、政府の対応がバラバラで、中心になる対策本部の設置が望まれます。

身悶えて 源氏を綴る 実むらさき

The name of the flower is Murasakishikibu.  Murasakishikibu is also the name of a famous Japanese female artist.  She is famous as the writer of the world ’s longest novel “The Tale of Genji”.  She continued to work as a writer while serving the court about a thousand years ago, leaving novels, diaries, and collections of tanka poems.

この植物の名がなぜ『ムラサキシキブ』なのか疑問に思っていましたが、もともと『ムラサキシキミ』と呼ばれていたものがいつの間にか『ムラサキシキブ』と呼ぶようになったそうです。「シキミ」とは実が重なるという意味だそうです。
『ムラサキシキブ』といえば必ず紫式部を思い出すわけです。紫式部といえば『源氏物語』。世界の長編小説の中でもナンバー・ワンに長い小説です。一度は読み切りたいものだと挑戦しましたが、瀬戸内寂聴さんの文庫本で全10巻のうち5巻で挫折しました。負け惜しみにもなりませんが、読み飽きてしまったわけです。

光源氏を軸に当時の王朝に繰り広げられる恋愛模様、それにまつわる栄光と没落、政治的欲望と権力闘争が語られているわけですが、その底を流れるものは女性の悲しき運命です。

式部自身は若くして父親くらいの男性と結婚し、子供を一人もうけますが、結婚してわずか3年で夫を亡くします。才色兼備であったかどうかはわかりませんが、知的な女性ではあったのでしょう。いい寄る男性は数多く、中でも時の権力者、藤原道長にも熱心に口説かれたようです。『式部日記』にもそれに触れたことが記されていますが、結局はどうなったのか。他の資料から結局はお妾さんになったとも書かれていますが、真偽は不明です。

こうしたことから当時の王朝の様子には詳しかったわけで、このことが『源氏物語』の素材になったことは確かです。『源氏物語』は当時でも大評判で、式部自身も注目されたでしょうが、詳しい人物像は不明なままです。

天高く 跳び跳ね囃す 大工方

On both days of September 13th and 14th, Danjiri Festival is held in Kishiwada City, Osaka. The highlight is to rotate the Danjiri at high speed in the corner of the street. “Daikugata”, Carpenters leader, on the roof of the Danjiri inspires people who pull Danjiri.

9月14日、15日の両日、大阪岸和田市ではだんじり祭りで賑わいます。非常に勇壮な祭りで、昔は必ず死人が出たということでマスコミにもよく取り上げられ、そのことでも有名になりました。

34の町内会のだんじりが互いに競い合い、特に『やりまわし』と言って、辻々の角を急速度で回転させる醍醐味を観衆の皆さんも共有します。この時にだんじりがひっくり返ったり、軒先や電柱に激突して死者が出たり、けが人が出たりします。今は子供たちの参加も多く安全面の確保はされています。

だんじりの屋根の上には『大工方』といって、だんじりの屋根の上で舞ったり、引手を鼓舞したりします。

この両日は岸和田の海岸よりのだんじり祭りで、10月の12日、13日には山寄の方でだんじり祭りが行われます。

 

中秋の 月に吠えるや 牛蛙

On September 13th, the day of the full moon, in Japan, people decorate with Susuki, silver grasses, and offer Tsukimi-dango, rice dumplings, to the moon. It is said that silver grass can house a Shinto God, and acts as a charm against evil. People offer the rice dumplings in appreciation for the harvest of grains.

昨日(9月13日)は中秋の名月。無事迎えることができて幸いです。
千葉で停電で困っておられる方がまだ18万世帯あることを思えば気も引けますが、まず感謝です。

満月は毎月毎月あるわけで、この9月13日が『中秋の名月』と謳われ、ことさら皆が注目するのは、まず伝統的行事になっているからでしょう。テレビでは報じられ、ウェブサイトでは取り上げられ、自然に関心を持たざるを得ません。

しかし、伝統行事になるにはそれなりの理由があるからでしょう。この9月の季節が、暑い夏を潜り抜け、秋の気配を感じるほっとする時期であること。お米の収穫の時期であること。その五穀豊穣を感謝し、祭りで祝うこと。空気が澄み、満月が一番きれいに見えること。などなど。この先にある冬を意識して、一番くつろげる時期であることが一番です。

最近はあまり月見もしたことがなかったので、久々に外に出たら、薄雲はかかっているけれどもくっきりと満月がその薄雲を漂っています。遠くから祭囃子の練習でしょう、聞こえてきます。池の周りに差し掛かると、突然ウシガエルが「ぐおーん」と鳴くのでびっくりしました。

祇王寺の 誰の化身か 秋海棠

Shuukaidou flowers are blooming at Giouji Temple in Sagano, Kyoto.  Whoever the three poor women appearing in the Heike Monogatari or the women of the same fate visiting this temple is , this flower seems to be the incarnation of someone in them.

平家物語の『妓王の事』の段に、平清盛に弄ばれた妓王、妓女そして仏御前の悲しい運命が語られています。その三人の女性たちが出家して庵を結んだ祇王寺には沢山の人たちが訪れます。中でも女性たちの訪問者が圧倒的です。

この祇王寺も明治の廃仏毀釈の流れの中で廃寺同然になりますが、それを立て直し、今日の祇王寺に再興したのは芸妓上がりの智照尼です。数々の浮名を流し、痴情のもつれから小指の先を切り落としたという気性の激しい女性で、平家物語に出てくる三人の女性たちと同じ運命を辿った智照尼の半生は、瀬戸内寂聴尼の『女徳』の詳しく語られています。

秋の訪れとともに咲く秋海棠はベゴニアと同じ種類の植物ですが、秋海棠は今のベゴニアが入ってくるずっと前に中国からはいってきた植物で、秋に咲く海棠(山梨)という意味で名が付けられました。

中国の玄宗皇帝が楊貴妃になぞらえたと言い伝えられていますから、歴史的にも古い植物です。

竜胆(りんどう)に 木漏れ日注ぐ ひとり道

While walking through the forest, the dappled sunbeams shine down into a group of gentians. Though they bloom quietly during the bushes usually, now they look gorgeous like a stage actor in a spotlight.

今日は今までの暑さが嘘のようなすがすがしい日になりました。それでも気温を見ると29℃。昼には30度を超える予想ですが、今までが暑すぎたので、こんなに気持ちがいいのでしょう。 

朝散歩で歩く小藪の中に竜胆(リンドウ)を見つけました。林間からさす木漏れ日に輝いて見えます。リンドウはいつも太陽の差す方向に花を向ける性質があります。雨の日や曇りの日はうつむいて元気がありません。それにこの涼しさ。リンドウもさすがにあの暑さでは、いくら陽が差しても辟易でしょうが、今日は元気いっぱいです。

千葉では停電がまだ続いているとか。おきのどくです。伊豆でも被害が出ていて、伊豆に住む友人は自宅を開放し、炊き出しをしたり、お風呂を提供しているそうです。ここ岸和田ではこの土日は『だんじり祭り』で賑わいます。予報では天気も快晴だそうだし、人出で大変でしょう。

同じ日本でもこうして悲喜こもごもですね。今日もお天道様にお祈りいたしましょう。

鮎釣りの 釣り竿しなり 刷毛の雲

An angler is standing in a clear stream and fishing an ayu. White brush clouds drift in the sky, and I can only hear the murmur of a small stream.

千葉県では台風15号で、今日(11日)現在も46万戸が停電状態で今日中の復旧は無理だとのこと。お気の毒としか言いようがありません。

ニュース写真で見ても、あの頑丈な高圧電線の鉄塔が飴のように曲がって倒れているのですから、この暑い中、復旧に当たっている電力会社の方々の苦労も大変なものだとご同情します。

横浜の港近くの数十トンもあろうかという、あの頑丈な波除ブロックがなぎ倒され、数メートル陸に打ち上げられているのを見て、いったん猛り狂った海水の威力のすさまじさには只々恐怖しかありません。東北大震災の津波がおそらくこの数十倍もあったのでしょうから、身の毛がよだちます。

今後予測される、首都直下型大地震、東南海地震のことを思うと、被害をどう最小限にとどめるか、早く対策を考えないと大変なことになる。新しく発足する安倍新内閣の実力を試すことになると思います。

幸いなことに今回は関西は台風の被害からは逃れられ、のんびりと鮎釣りの光景に俳句を詠んでいるわけですが、また明日は事情が一変するとも限りません。本当にお天道様に祈る気持ちです。

一夏を 咲いてランタナ 実を結び

Lantana is an alien species and is now found throughout Japan. It is a very vital plant and blooms a cute flower but is one of the worst 100 invasive alien species in the world. It blooms all summer and bears black fruits in autumn.

紫陽花の咲くころから同じように咲き始めたランタナがいよいよ実を付け始め、もうすでに黒くなった実も見られ始めました。

石垣やコンクリートブロックのどんな小さな隙間でも根を張り、茂り、花を咲かせる生命力溢れる植物です。一夏中咲き続け、「七変化」という異名を持つほど花の色を変えるランタナは、もうすっかり馴染になりました。

その生命力、繁殖力の強さから「世界の侵略的外来種ワースト100」に選定されているほどです。日本人ほどには花には関心のないオーストラリアや東南アジアでは特に嫌われています。

我が家周辺でもちょっと歩くだけで、いたるところに咲いています。紫陽花を小ぶりにしたような花で園芸用にも好まれているようです。

黒い実は有毒ですが、鳥たちが集って実をついばんでいますから、鳥たちには無毒なんでしょう。こういうことはよくあるので、鳥には体内に解毒する仕組みがあるのでしょう。

周りは秋の装いが整ってきました。